対談インタビュー
ふたりの設計担当者が語る、
街並みに寄り添う
という選択。
- 成熟の街に、
暮らしの未来をつなぐ。 -
閑静で歴史ある邸宅街・三国ヶ丘の風景にいかに応えるべきか。
古墳と濠がたたえる静けさに学び、成熟の街並みに寄り添う佇まいを。
プラネスーペリア三国ヶ丘を手がけたふたりの設計担当者が、
設計への想いと心地よい暮らしのための工夫を語ります。


大林新星和不動産株式会社
大阪支店 住宅事業部
天野 愛希
株式会社D&D建築設計事務所
一級建築士・設備設計一級建築士
野口 才樹氏
緑豊かな古墳と、
ゆるやかに流れる時間…。
この街だけが持つ美意識に、
そっと寄り添うように。
プラネスーペリア三国ヶ丘では
どのような点にこだわって
設計を行いましたか?

野口才樹氏(以下 野口氏):プラネスーペリア三国ヶ丘の設計を担当することになり、まず三国ヶ丘駅から現地まで巡り歩きました。そのとき目に留まり印象に残ったのは、世界三大墳墓の一つといわれる仁徳天皇陵古墳です。幾層に重なる墳丘と、緑と濠が住宅地に溶け込む一体感こそが、この街の原風景だと思いました。
天野愛希(以下 天野):当マンションが位置する向陵中町5丁エリアは低層の街並みが広がる成熟した邸宅地です。私は戸建て住宅の設計で培った、暮らしの感覚に寄り添った空間の作り方を活かし、街の景観になじむよう低層の外観を描きました。

野口氏:その意図を踏まえ、各階を段階的にセットバックさせ、上層にいくほど軽やかな印象となる構成を採用しました。あと、バルコニー庇のデザインは三種類あるんですよ。立体的な形状にすることで正面から見たときにリズミカルな外観を生み出す工夫をしています。水平ラインのつながりが美しく際立つようにしながら、縦ラインは木調の縦格子でアクセントを加えるなど細部にまで配慮を重ねました。
天野:色調は、落ち着いたグレーを基調にナチュラルカラーでまとめ、白の細いラインが軽やかさを添えています。木目調の縦格子には温かみのある色味を選び、質感の異なる素材を重ねることで、奥行きある表情に。街並みに穏やかに溶け込みながら、建物に近づくにつれて確かな存在感が際立つ構成としました。
外観完成予想CG
現地周辺の街並み
現地周辺の街並み
洗面室とキッチンが
つながる動線設計。
家事室や収納スペースも
豊富に設け、
家事も暮らしも快適に。
外観以外も
相当検討を重ねて設計されたと
伺いました。

天野:当マンションはファミリー層が中心になると思いますが、そこで共働きのご夫婦がより快適に暮らせる工夫を取り入れたプランを、野口さんとアイデアを出し合ってご用意いたしました。
野口氏:日常の中で「あっ、これ便利だね」と感じていただけるような設計にこだわりました。たとえば洗面室とキッチンを回遊できる動線(A・Fタイプ)や、約3帖の 家事室を設けた住戸(Jタイプ)など。暮らしの流れを丁寧に想像しながら、空間を設計しています。
天野:収納にも力を入れています。ウォークインクローゼット、シューズインクローゼット、リネン庫、パントリーなど、スタイルはさまざまですが、単に収納量を増やすのではなく、使いやすい形に整えることを意識しました。暮らしやすさって、実はこうした細部の積み重ねだと思っています。
野口氏:建物の形状に合わせて、ルーフバルコニーのある住戸もご用意しています。空の広がりを楽しめる特別な空間を楽しんでいただけたら嬉しいです。ここにしか生まれない形状を、美しさに。そんな小さな贅沢を設計に込めています。
使いやすさの、
その先にある心地よさを。
キッチンのスタイルも選べる、
自由度の高い住まい。
特にキッチンが
特徴的だと伺いました。

天野:今回どうしても実現したかったのが、「住戸タイプによって異なるキッチン形状」です。一般的な分譲マンションでは、プランや面積が異なってもキッチンの形や奥行きは統一されている場合が多いですが、キッチンでの料理のスタイルも、家族のかたちもさまざまですよね。私はこれまで、戸建て住宅の設計に携わってきた経験から、自分らしさを反映できるキッチンを目指しました。
野口氏:設計の面では、パターンが増えると複雑になるので、最初は少し心配でした。でも実際に立ち上がりの高さや奥行きを変えてみると、手元を隠せたり、作業がしやすくなったり、カウンターで食事を摂ったりと入居者の方の様々なライフスタイルに寄り添える、使いやすさの違いを肌で実感できました。

天野:キッチンは家の心臓部ですから、使いやすさはもちろん、立ったときに気持ちがいいと感じられる空間でありたい。そんな思いで、キッチンの形状に特徴を持たせました。また、食品の買い置きや雑貨を収納できるよう、全プランにパントリーを設けています。
野口氏:「キッチン形状でどの住戸にしようか迷うなぁ」なんて、新しい住まいの選び方ができるかもしれませんね。キッチンから住まいへの愛着がより深く育っていく、そんな暮らし方が理想ですね。
天野:ファミリー層の方はもちろん、DINKSやシニア層の方も、それぞれのライフスタイルに寄り添えるよう1LDK+S~4LDK+WIC+家事室まで14タイプの多彩なプランバリエーションの住戸プランがございます。自分だけの一部屋をぜひ見つけていただきたいですね。また本物件は弊社初のZEH-M Orientedの基準を満たしたマンションであり、断熱性や省エネ性能も高い住まいです。
- 〈ZEH-M(ゼッチ・マンション)とは?〉
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建物の断熱性能を向上させるとともに、熱効率がよい給湯器やLED照明などを採用することでガスや電気の使用量を抑え、年間の一次エネルギー消費量を削減する住まい、それがZEH-M Oriented。本物件はマンション全体で年間の一次エネルギー消費量を20%以上削減することを目指します。
ZEH-M Oriented認定マンションなら
税制面など様々な優遇制度が受けられます。〈金利優遇〉
フラット35S(ZEH)適合マンション
「ZEH」等の基準に適合物件を購入した場合、借入金利が引下げられます。
「おかえりなさい」と迎える、
古墳の濠をモチーフにした
街苑アプローチ。
共用部やエントランス周辺の
設計イメージを教えてください。

野口氏:エントランスアプローチの手前には、古墳の濠をイメージした街苑を設けました。帰宅のたびに「ああ、帰ってきた」と感じていただけたら、嬉しいですね。足元は間接照明でやわらかく照らし、植栽にはアッパーライトを添えて、季節の移ろいを日々の景色として楽しめるようにデザインしました。
天野:この空間は、堺市の条例に基づいて設置が義務づけられていますが、義務だからでは終わらせたくなかったんです。どこに、どんなふうに配置すれば、ここを通る人の気持ちが明るくなるか。野口さんと何度も話し合いを重ねて、丁寧につくり上げました。通り過ぎるだけではない、心に残る風景を目指したので完成が楽しみですね。
野口氏:本物件へのアプローチは南北に分けており、南側は歩行者専用、北側は車と自転車専用とすることで、完全な歩車分離を実現しています。お子さまのいるご家族にとっても、日々の安心感につながる設計です。
最後にご検討いただいている方に向けて。

天野:当マンションが、住まう方の人生とともに成熟し、やがて「選んでよかった」と実感していただける場所になって欲しい。私たちの想いが皆様に伝わり、これからの暮らしに穏やかに寄り添っていくことを願っています。
野口氏:天野さんの「選んでよかったと思っていただける住まい」という言葉に、設計者としての私の思いも重なります。この住まいが、暮らす人の未来にそっと寄り添う存在でありますように。快適さとやさしさが、これからの暮らしの基盤になって欲しいですね。
※社員の所属組織および取材内容は取材時点のものになります。
※社員の所属事業部名称は、2025年9月時点での名称となります。