ナチュラル洗剤で、やさしくてシンプルなお掃除を
「セスキ」や「過炭酸ナトリウム」といった以前はあまり見かけなかった洗剤を、ここ2~3年はスーパーなどでよく見かけるようになりました。
これらは、従来の合成洗剤とはタイプが異なり、自然界にもともとある素材を使ったナチュラル洗剤です。今年も大掃除のシーズンが近づいてきましたが、この機会に身体や環境にやさしいナチュラル洗剤を取り入れてみてはいかがでしょうか。

「セスキ」や「過炭酸ナトリウム」といった以前はあまり見かけなかった洗剤を、ここ2~3年はスーパーなどでよく見かけるようになりました。
これらは、従来の合成洗剤とはタイプが異なり、自然界にもともとある素材を使ったナチュラル洗剤です。今年も大掃除のシーズンが近づいてきましたが、この機会に身体や環境にやさしいナチュラル洗剤を取り入れてみてはいかがでしょうか。
化学的な合成で作られる合成洗剤と違って、ナチュラル洗剤は、自然界に存在する素材を使った洗剤で、
次のようなメリットがあります。
ナチュラル洗剤の代表である「重曹」や「クエン酸」は、もともとは食用品であるため、合成洗剤とくらべて、人体への悪影響があまりありません。掃除や洗濯後に食器や衣服に成分が残っていても安心です。また、お子さんが誤って口にしてしまったり、ペットが舐めてしまったりしても大きな害はありません。
ナチュラル洗剤は、自然に分解されやすいので、環境への負荷が少ない洗剤です。
ナチュラル洗剤は、汚れのタイプに応じて、アルカリ性、酸性、中性(アルコール)を使い分けるだけで、食器用、風呂場用、トイレ用、窓用……、などと細かく分かれていないのでシンプルです。さらに、多少洗い残しがあっても気にしなくていいので、すすぎやふき取りが簡単になるのもメリットです。
水溶液(ものを水に溶かした液)の性質には、「酸性」と「アルカリ性」という、反対の性質があることは学校で習いました。酸性とアルカリ性の中間が「中性」です。汚れにも、酸性の汚れとアルカリ性の汚れがあります。そして、酸性の汚れはアルカリ性の洗剤で分解でき、アルカリ性の汚れは酸性の洗剤で分解できます。これが、ナチュラル洗剤の基本的なしくみです。
家の中の汚れは8割くらいが酸性の汚れですので、
ナチュラル洗剤はアルカリ性のものを主に使います。
よく使われるナチュラル洗剤をご紹介します。
それぞれ向き不向きがありますので、汚れの種類や用途に応じて使い分けることがポイントです。
重曹 | セスキ炭酸ソーダ | 過炭酸ナトリウム | クエン酸 | |
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食品としても使われる安全性の高さで、毎日のお掃除に気軽にさっと使えます。 | 重曹よりも洗浄力が高く、最近一番人気のナチュラル洗剤。 | 汚れ落とし効果に加えて、除菌・漂白効果もあります。 | 酸の効果でアルカリの汚れを落とします。 | |
特徴 |
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向いている 汚れなど |
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使い方と注意点 |
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重曹 |
食品としても使われる安全性の高さで、毎日のお掃除に気軽にさっと使えます。 特徴
向いている汚れなど
使い方と注意点
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セスキ炭酸ソーダ |
重曹よりも洗浄力が高く、最近一番人気のナチュラル洗剤。 特徴
向いている汚れなど
使い方と注意点
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過炭酸ナトリウム |
汚れ落とし効果に加えて、除菌・漂白効果もあります。 特徴
向いている汚れなど
使い方と注意点
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クエン酸 |
酸の効果でアルカリの汚れを落とします。 特徴
向いている汚れなど
使い方と注意点
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アルコールは油を溶かす作用があります。水と違って乾きやすいので、カビやすい押し入れや靴箱などの掃除に向いています。また除菌効果もあるので、冷蔵庫の中の掃除などにも適しています。
使い方は、薬局で売っている「消毒用アルコール」を、水で2倍~2.5倍程度に薄めて、雑巾などに染み込ませてふき取ればOK。なお、燃料用アルコールは有毒なので、必ず消毒用アルコールを使うよう気を付けてください。
石鹸の中でも、「純石鹸」はナチュラル洗剤で、脂肪酸ナトリウム(カリウム)と書かれています。洗浄力は上記のナチュラル洗剤の中では強力です。
ナチュラルクリーニング講師。大学では理学部で化学を専攻。その後、メーカーに勤務。自らの子育て経験などから、人に優しいナチュラル洗剤の有効性に気付く。科学的な知見に基づいたナチュラル掃除を提案している。著書に『ナチュラル洗剤そうじ術』『ナチュラル洗剤で安・楽・早 ラクチンおそうじ虎の巻 保存版』(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)など。
https://ameblo.jp/naturalcleaning/