夏のお弁当は要注意 食中毒防止の基本と、傷みにくいお弁当レシピ

食べ物が傷みやすい季節になりました。
中でもお弁当は室温に置かれる時間が長いため、食中毒への注意が特に必要です。
そこで今回は、傷みにくいお弁当作りの基本を確認し、参考レシピもご紹介します。

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傷みにくい調理の基本

しっかり加熱する(素材の中心部まで75度、1分以上が目安)

食中毒を引き起こす菌にはさまざまな種類が存在しますが、その大半は、75度以上の熱で1分以上加熱すると死滅します(ノロウイルスの汚染のおそれのある二枚貝などの食品の場合は85~90度以上で90秒以上の加熱が望まれます)。そこで、まずはしっかり加熱することが、基本となります(※)。
ハンバーグや鶏のから揚げなど、見た目だけでは中心部の火の通り具合がわかりにくい料理の場合は、調理用温度計を使うのも一法です。
冷蔵庫に保存していた前日のおかずの残りなどをお弁当に入れる場合は、必ず再加熱します。中心部まで75度、1分以上加熱するには軽く温めるだけではだめで、しっかりと火を通しましょう。

※菌の中には熱に強く、加熱してもなかなか死なないものもあります。加熱は基本ですが、加熱だけですべての菌を取り除けるわけではないことも覚えておきましょう。また、ノロウイルス死滅に必要な加熱条件について、現時点で正確な数値はありません。

食材は小さく切ってから加熱、加熱後はなるべく触らない

せっかく加熱して殺菌しても、その後で手やまな板などが触れると、そこからまた菌がついてしまう可能性があります。そのため、加熱後に切る必要のないように、肉などの大きいものはあらかじめ食材を小さく切ってから調理しましょう。小さい方が、中心部まで火が通りやすいというメリットもあります。

また、盛り付ける際は手で直接触れることはせず、清潔な菜箸やスプーンを使います。おにぎりなど手で形を整える必要がある料理は、ラップなどを利用すると安心です。

水分を極力取り除く

菌が繁殖する原因のひとつは水分ですので、なるべく水気を取り除くようにします。

調理したおかずやごはんは、よく冷ましてから弁当箱に詰めます。温かいうちに詰めると、水蒸気がこもり、水分で傷む原因となります。
お弁当のおかずは、水分が残りにくい「焼き物、揚げ物、炒め物」を基本とします。どうしても煮物を入れたい場合は、しっかり加熱して汁気を飛ばします。

生野菜や果物はできるだけ避けます。レタスなどの葉物を仕切り代わりに使うのもNGです。ミニトマトなどを入れたい場合は、ヘタをとり、水分をキッチンペーパーでよく拭いてから入れます。
茹で野菜なら、水にさらさなくていいアスパラやブロッコリーなどがおすすめです。また、ほうれん草などのおひたしは水分が多いのであまり向きませんが、すりごま、おかかなどとあえて水分を吸わせる手もあります。

酢の力で傷みを防止

昔から食べ物を傷みにくくすると言われている食材があります。なかでも、使いやすく一定の効果が得られるのは「酢(食酢)」です。
ごはんを炊くときに、米1合に対して大さじ1の酢を入れると、ごはんを傷みにくくすることができます。この程度の分量であれば、においや味も普通のごはんとほとんど変わりません。
また、おかずの調理でも、積極的に酢を加えるようにしてみましょう。下の参考レシピも参照してください。
酢以外では、梅干しにも一定の抗菌作用がありますが、接している周囲にしか効果がないので、梅干しを細かくほぐしてごはんに混ぜるなどの工夫が必要です。
なお、酢も、梅干しも、完全に菌を殺すような高い効果はありません。加熱、水分を避けるなど基本を行った上でのサポートくらいの役割だとお考えください。

傷みにくさに一工夫!のお弁当レシピ

鶏の照り煮

材料(3~4人分)

  • とりもも肉(から揚げ用)300g
  • かたくり粉大さじ1
  • サラダ油大さじ2分の1
  • (A)砂糖大さじ1
  •    酢大さじ3
  •    しょうゆ大さじ1と2分の1
  •    みりん大さじ1

作り方

とり肉はかたくり粉をまぶす。フライパンに油を入れ温めて肉を入れ、中火で両面に焼き色をつける。火を止めて、ペーパータオルで余分な脂をふきとる。
(A)を加え、ふたをして弱火で約5分煮る。時々肉を裏返す。ふたをとって強火にし、汁気がほぼなくなるまで煮詰める。

えびの粒マスタード風味

材材料(2人分)

  • むきえび100g
  • (A)塩小さじ8分の1
  •    こしょう少々
  • 黄パプリカ2分の1個(75g)
  • オリーブ油小さじ2
  • 大さじ1
  • (B)粒マスタード大さじ1
  •    マヨネーズ小さじ2分の1

作り方

黄パプリカはひと口大に切る。えびは背わたがあれば除き、(A)をふる。
フライパンにオリーブ油を温め、黄パプリカ、えびを入れ、両面を中火で軽く焼く。酢を加えてふたをして、弱火で約1分蒸し焼きにする。
ふたをとり、あわせた(B)を加えてからめ、火を止める。

だし巻き風卵焼き

材材料(2人分)

  • 2個
  • (A)砂糖、塩各少々
  •    削りかつお少々
  • サラダ油2分の1個(75g)

作り方

卵は割りほぐし、(A)を加えて混ぜる。
卵焼き器に油をひき、の3分の1を入れて広げる。半熟になったら手前に巻く。焼いた卵を向こうにすべらす。
卵焼き器のあいたところに油を塗る。の3分の1を流し、を持ち上げ、下にも卵液を流す。半熟状になったら手前に巻く。もう一度繰り返す。火を止めて、そのまま5分ほどおき、中まで火を通す。
冷めたら食べやすく切る。

ハム&キャベツサンド

材材料(2人分)

  • サンドイッチ用食パン4枚
  • (A)バター(室温に戻しておく)10g
  •    練りからし1~2g(小さじ4分の1)
  • ハム2枚
  • トマトケチャップ小さじ1
  • キャベツ100g
  • 塩・こしょう各少々
  • サラダ油小さじ1

作り方

(A)を合わせ、パンに塗る
キャベツは5mm幅に切る。フライパンに油を温め、ハムを両面焼いて取り出し、ケチャップを塗る。続いてキャベツを炒め、しんなりしたら塩・こしょうをふる。取り出して冷ます。
をパンにはさみ、2組作る。食べやすい大きさに切り分ける。

取材協力:塚田真理子さん

一般財団法人ベターホーム協会で広報を担当。 同協会は1963年設立。「ベターホームのお料理教室」を首都圏、京阪神、名古屋、札幌、仙台、福岡など全国17ヶ所で開催するほか、料理書の出版、調理道具・食品の開発と販売なども行っている。
http://www.betterhome.jp