資産投資の情報源 上場企業が開示する「IR情報」は利用価値大。

上場企業が発信する「IR」情報とは?

「IR(Investor Relations:インベスターリレーションズ)」とは、企業が株主や投資家に対し、投資判断に必要な企業情報を、適時、公平、継続して提供する活動のことをいいます。

企業はIR情報を提供することによって資本市場で適切な評価を受け、資金調達などの戦略につなげることができ、株主・投資家も、情報を効率よく集めることができるようになります。

投資判断に必要な情報は、開示が義務づけられている有価証券報告書などがあげられますが、IRは制度的開示にとどまらず、企業が自主的に行なう情報提供活動を指します。

下の図は、一般的に開示提供しているIR情報です。証券取引所(TDNET)や金融庁(EDNET)のデータベースから閲覧することもできますが、企業は投資家向けに情報を充実させている傾向にあり、その他にも株主説明会の動画や嗜好を凝らしたコンテンツを掲載している企業もあります。

上場企業の開示資料一覧

開示書類名 説明 根拠法 情報入手先
適時開示資料 制度開示 決算・決定事項・発生事実など、投資判断に重要な影響を与える会社の業務、運営または業績などに関する情報を即座に開示するための資料。 取引所規則 TDNET
決算短信 制度開示 上場企業が四半期毎の決算発表時に取引所に提出する各社共通形式の決算情報の適時開示資料。業績、財産の状況を総合的に開示することを目的とします。 取引所規則 TDNET
有価証券報告書 制度開示 上場企業及び過去5年間において、株主数が500人以上となったことがある有価証券発行者に対して、事業年度終了後3カ月以内に内閣総理大臣の提出が義務づけられている監査報告書が添付された報告書。事業年度毎の営業及び経理の状況、その他の事業の内容に関する重要事項を報告することを目的とします。 金融商品取引法 EDINET
四半期報告書 制度開示 2008年4月1日より義務化された、有価証券報告書提出義務がある企業に課せられた四半期報告書。監査法人の四半期レビュー報告書添付が必要。 金融商品取引法 EDINET
招集通知 制度開示 株主総会の開催2週間前までに株主への発送が義務づけられた書類。株主総会の開催日時、開催地、決議事項について、全ての株主に報告することを目的とします。同時に事業報告、計算書類、参考書類の送付も義務付けられている。 会社法 企業HP
EDINET
決議通知 自発開示 株主総会で決議された事業報告、連結計算書類の内容ならびに監査結果報告が記載された書類。全ての株主に総会の決議内容を平等に報告することを目的とします。 自発開示 EDINET
株主通信 自発開示 事業年度毎の業績報告のため企業が自発的に株主に送付する報告書。 個人株主を意識したわかりやすくコンパクトな誌面構成が一般的であり、株主にとって難しい経営や業績の理解を深めることを目的とします。 自発開示 企業HP
コーポレート・ガバナンス報告書 制度開示 適切なディスクロージャーに企業経営者が責任をもって取組む点、独立性のある社外の人材を適切に活用する点を明記した報告書。コーポレート・ガバナンスの状況を、より明確に投資者に伝えることを目的とします。 取引所規則 TDNET
内部統制報告書 制度開示 内閣府令で定める体制について、企業が事業年度毎に内閣総理大臣に提出する報告書。財務計算に関する書類、その他の情報の適正性を確保することを目的とします。 金融商品取引法 EDINET
決算説明会 自発開示 上場企業の経営陣が業績の報告と来期の見通しなどについて、主に機関投資家向けに実施する説明会。証券アナリスト(証券企業に所属し株価の評価を行う専門家)やファンドマネジャー(機関投資家の中で実際の投資判断を行う専門家)への理解促進を目的とします。 金融商品取引法 企業HP
アニュアルレポート 自発開示 企業業績や業務内容が詳細に記載された、外国人投資家向けの英文年次報告書。本来的には海外での資金調達時の提出資料として作成するものだが、英文報告書としての一般使用を目的に日本でも作成する企業が増加しています。 自発開示 企業HP
臨時報告書 法定開示 親会社・主要株主の異動、海外での有価証券の募集・売出しについて、遅滞なく内閣総理大臣への提出が義務づけられている書類。一定の重要な事実が発生した場合、公益又は投資者を保護することを目的とします。 金融商品取引法 EDINET
意見表明報告書 法定開示 公開買付(TOB)の際、公開買付対象者が公開買付開始公告が行われた日から10日以内に、当該公開買付に関する意見、必要であれば買付者に対する質問などを記載し、内閣総理大臣に提出する書類。投資家に買付対象会社の公開買付に対する考え方を伝え、投資判断に資することを目的としています。 金融商品取引法 EDINET
株式等の大規模買付行為に関する対応策 制度開示 いわゆる「買収防衛策」を導入・変更・発動・廃止する際に開示が求められる。株主および、潜在的投資者を含めた保護の観点及び、国際的な動向を踏まえ制定されている。 取引所規則 TDNET

企業のホームページからIR情報をチェックしてみましょう。

上場企業のホームページには「IR情報」または「投資家の皆様へ」といったタイトルのページが存在し、上記のコンテンツを掲載しています。

ホームページによっては様々なページが存在しますが、概ねIR情報のコンテンツのページの構成は以下のようになっていることが多いようです。

企業ホームページ

あらかじめ大まかなページ構成が分かっていると探しやすくなりますね。

IR情報のチェックポイントとは?

優先的に確認したい資料は「有価証券報告書」と「決算説明会資料」といえるでしょう。

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まず「有価証券報告書」について。

上場企業は提出が義務付けらている企業の現状を開示する資料です。記載されている内容は「事業の内容」「研究開発活動」「財政状態」「設備の概要」「経理の状況」など、平均100ページ以上となる資料です。

企業の「課題」と「解決策」に注目すると、今後どのような経営戦略で成長していくのかを知ることができます。

もちろん売上など「業績ハイライト」や「財務諸表」から、利益を把握することも大切です。「売上高」や「営業利益」「経常利益」などが公開されており、企業が得ている利益を年次で知ることができますが、成長のための設備投資で一時的に減益になっていることもあるので、数年間の推移を確認することがポイントです。このあたりの理由も「有価証券報告書」に記載されています。

また「決算短信」は貸借対照表や損益計算書が最も早く開示される資料ですのでいわゆる「会社の成績」をいち早く確認したい場合にチェックする資料です。

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「決算説明会資料」とは。

決算説明会は主に企業が証券アナリストや機関投資家に向けて説明会を行うもので、一般の個人投資家が参加できることがないかもしれませんが、企業のホームページではその時に使用した資料を掲載していることが多く、最近では動画を配信していることも増えてきています。企業の状況を比較的わかりやすく工夫を凝らした資料となっているので、難しい数字だけの資料を読むよりもこちらで企業を理解する方が分かりやすいでしょう。

決算説明会は、いわゆる証券会社などのプロの人が、その現場でプレゼンテーションされる社長などの口調や意気込みなどの臨場感を感じるために参加するといわれています。

日本は家計金融資産の伸びが低い?

家計金融資産(1,815兆円)の約52%(約938兆円)が現預金という日本ですが、家計金融資産の伸びは米国に比べかなり低い状況です。

過去20年間の増加率は、日本が1.54倍に対し米国は3.32倍となっています。

今後、日銀が目標として掲げているインフレ率2%に近づいていくと、それだけ現金の価値が下がってきます。現金貯蓄だけでなく、家計の安定的な資産形成に向けて長期・積立・分散投資の普及・定着を促していく必要があるとして、政府でも預貯金に頼らない資産形成を推進しているところです。

初心者は株式をどう楽しむ?

投資の対象は一般的に大きく「債券」「株式」に分けられますが、外貨建の投資対象は「為替」が介在して値動きが異なるので「国内債券」「国内株式」「外国債券」「外国株式」の4つに分けられます。

今回は、初心者には難しい債権や外貨建ての金融商品ではなく、国内株式で身近な企業を投資対象としてみるポイントを見てみましょう。

現在、国内上場企業数は約3,600社ほどありますので、どの企業に投資すれば良いか分からない方が多いのではないでしょうか。もちろん、証券会社の方に聞いたり、四季報を熟読したりすることも有意義な方法ですが、まずは長く続けられて親しめるきっかけをつくるといった意味でも、投資を「楽しむ」という視点で考えてみましょう。

  • 上場企業数について:日本取引所グループHPより

http://www.jpx.co.jp/listing/co/index.html

個別上場企業の株式を購入する場合には、下記のような楽しみが挙げられます。

株主優待 ~年に1~2回企業からのプレゼントが楽しみに~

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恐らく、個別上場企業へ投資することの最も楽しみなメリットが「株主優待」ではないでしょうか。 各地の名産品や自社の商品やサービス、施設やサービス利用時の優待券や商品券などバラエティーに富んでいます。優待の内容は持っている株数ごとに変わることが多く、年に1~2回実施されています。

ただし、あくまでサービスなので、すべての企業の株にあるものではありませんが、現在1,400社(2017年10月時点)を超える上場企業がより多くの人に株主になってもらいたいと考え、株主優待を用意しており増加傾向にあります。

  • 株主優待内容参考サイト:Yahooファイナンス

https://info.finance.yahoo.co.jp/stockholder/

好きな企業の株を購入 ~株式でブランドを応援~

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普段気に入って購入しているブランド(企業)に投資することは、売上貢献している気分になれるので、より一層応援したくなるなどロイヤルティブランドとして長い目で株式を保有できるきっかけになります。

ゆとりの資金で長期投資 ~投資をギャンブルにしない~

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株式投資は生活資金を使うものではなく、あくまで余裕資金の範囲内で投資するものです。そうすれば、多少の下落があっても焦ることがなく、気持ちにもゆとりをもって投資を行なえます。また、長期の運用は複利効果が期待できることも資産形成には効率的な魅力があるといえます。

自分が経済に参加している充実感 ~日々充実感を味わえる~

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新聞やインターネットのニュースに目を通すようになるなど、社会や経済に関心を持てるようになったり、自分も市場に参加していることを実感できるので、生活に充実感を味わうことができます。

女性の活躍を推進している上場企業銘柄「なでしこ銘柄」について

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女性の活躍推進に優れている企業を選定・発表する事業として、平成24年度から経済産業省と東京証券取引所の共同企画として毎年度実施されています。

女性が活躍する社会は政府も注力している取り組みで「成長戦略の中核」と位置付けられています。投資家にとって魅力ある銘柄として紹介することによって、関心を一層高め、各社の取組を加速化していくことを狙いとしているそうです。

  • 平成28年度「なでしこ銘柄」選定企業一覧

http://www.jpx.co.jp/news/1120/20170323-01.html

下のグラフは、平成28年度「なでしこ銘柄」の選定企業47社について指数を試算したグラフです。
参考としてTOPIX の推移と比較しています。

「なでしこ銘柄」選定企業の指数とTOPIX(東証株価指数)の比較

「なでしこ銘柄」選定企業の指数とTOPIXの比較図

(比較のため、平成21年1月5日の終値を100とした時の推移として、平成29年1月末までグラフを作成)
JPX:平成28年度「なでしこ銘柄」レポートより

日本の株式を代表するTOPIXとほぼ同じ傾向で推移していることが分かります。

このように、資産形成をする上で、楽しみながら身近な企業に投資することから始めてみるのも良いかもしれません。その際に気になる企業を見つけたらその企業のホームページに掲載されている「IR情報」をチェックしてみるのがポイントです。その企業を手軽に知るきっかけになるだけでなく、投資家に対してより良く理解してもらえるよう企業独自の工夫がされていると、企業の姿勢も垣間見ることができ、より一層好感を持つことができるかもしれません。

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