働き方の多様化に向けてワーク・ライフ・バランスのこと

ワークライフバランスとは?

「ワーク・ライフ・バランス」という言葉を耳にすることが増えてきましたが、有給休暇を取得してどう活用するか、といった一面的なものではなく、政府が「仕事と生活の調和」の必要性を掲げた1つの政策であることを認識して、もう少し本質的な側面を理解してみましょう。

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「ワーク・ライフ・バランス」は「仕事と生活の調和」を図ること

まず「ワーク・ライフ・バランス」の意味を振り返ってみましょう。
「ワーク・ライフ・バランス」とは「仕事と生活の調和」と置き換えられています。また政策としても各省庁が推進していますが、下記のような意図をもっています。

「個人の生き方や人生の段階に応じて多様な働き方の選択を可能にし、その働き方の見直しによって、日本経済の生産性の向上や競争力の強化をはかる」

下の図はこの意図をイメージしたものです。

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働き方の見直しをすることによって、個人の健康的な生活、そして家族や地域社会とのかかわりが健全化し、さらには企業や社会に良い影響が及ぶということです。

国をあげて「ワーク・ライフ・バランス」に取り組む背景とは?

まず、この「ワーク・ライフ・バランス」が着目される背景に、日本が成長を続けていくうちに大きく3つの課題が生まれてきたことが挙げられます。

01少子高齢化による労働人口の減少
少子高齢化が進む一方で、将来の日本を担う働き手が減少しています。
02共働き世帯の増加
女性の社会参加が浸透しつつあり、意識の変化や経済的な理由による共働き世帯が増加したにもかかわらず、男女の役割などの古来の意識が残り、地域でも支援が行える社会的基盤が従来のままで時代に対応できていません。
03仕事と生活の間で問題を抱える人の増加
長時間労働などによる心身の疲労や、家族との団欒の時間を持てない、子どもを預けられる施設の不足などで仕事と育児の両立が困難といった問題が深刻化しています。

上記のような問題が複雑に絡み合い、人々の暮らしに影を落としていることが日本の経済成長にも影響していると考えられるようになってきました。

「仕事と生活の調和」が実現した社会とは

では「ワーク・ライフ・バランス」が実現した社会とはどのような社会なのでしょうか。
下記の3つを定義しています。

  • 1.就労による経済的自立が可能な社会
  • 2.健康で豊かな生活のための時間が確保できる社会
  • 3.多様な働き方・生き方が選択できる社会

上記にはそれぞれに具体的な内容と目標とする数値が掲げられています。

01経済的自立を必要とする者とりわけ若者がいきいきと働くことができ、かつ、経済的に自立可能な働き方ができ、結婚や子育てに関する希望の実現などに向けて、暮らしの経済的基盤が確保できる。

目標数値

就業率
(②/③にも関連)
<女性   (25~44歳)>2016年:72.8% → 2020年:77%
<高齢者(60~64歳)>2016年:63.6% → 2020年:67%
フリーターの数
2016年:155万人→ 2020年:124万人以下
02働く人々の健康が保持され、家族・友人などとの充実した時間、自己啓発や地域活動への参加のための時間などを持てる豊かな生活ができる。

目標数値

週労働時間60時間以上の雇用者の割合
2016年:7.7% → 2020年:5%
年次有給休暇取得率
2015年:48.7% → 2020年:70%
03性別や年齢などにかかわらず、誰もが自らの意欲と能力を持って様々な働き方や生き方に挑戦できる機会が提供されており、子育てや親の介護が必要な時期など個人の置かれた状況に応じて多様で柔軟な働き方が選択でき、しかも公正な処遇が確保されている。

目標数値

第1子出産前後の女性の継続就業率
2010~14年:53.1% → 2020年:55%
男性の育児休業取得率
2015年:2.65% → 2020年:13%
男性の育児・家事時間(6歳未満児のいる家庭)
2011年:67分/日→ 2020年:2時間30分/日

徐々に改善の道をたどっているようですが、まだまだ目標値までには乗り越える課題がありそうですね。

※「仕事と生活の調和が実現した社会の姿」(内閣府)より

労働時間の減少だけでは生産効率はあがらない?

下図は一人当たりの平均年間総実労働時間を諸外国と比較したグラフです。1980~1990年代と比べるとかなり改善されたことが分かります。現在はイタリアやアメリカ、フランスとあまり変わらなくなっていますね。

一人当たり平均年間総実労働時間グラフ

労働政策研究・研修機構「データブック国際労働比較2016」より

OECD加盟諸国の労働生産性

ですが、OECD加盟国35カ国を比較した労働生産性では、3位がアメリカ、7位がフランス、10位がイタリアで、日本は22位となっています。同程度の労働時間でもこれだけの開きが出ています。(右図参照)
もちろん、諸外国のような個で稼ぐスタイルとチームで稼ぐ日本スタイルでは、労働スタイルや文化が異なるので一概には言えませんが、生産性の改善のポイントは単に時間ではないかもしれません。

「ワーク・ライフ・バランス」とは、単に働く時間を短くすることで生産効率が上がるというものではなく、個人のライフスタイルの考え方が成熟していくことと、その多様なライフスタイルを受け入れる社会基盤の整備などが必要です。そのためには政府機関の多方面から推進していく必要があるのですね。

労働政策研究・研修機構「データブック国際労働比較2016」より

いかがでしたでしょうか。「ワーク・ライフ・バランス」を政策の観点で理解すると、日本の抱えている問題に対して取り組む姿勢も生まれてきますね。個人として健康的でより良い生活を送れるように積極的に行動することが、ご家族や地域社会にも良い影響があることがお分かりいただけたのではないでしょうか。

自分の趣味にじっくり取り組める空間や、家族との団欒を楽しく過ごせるリビングのあり方など、「住まい」も「ワーク・ライフ・バランス」を考える上では欠かせないポイントです。

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